なぜ今デジタルヘルスが脚光を浴びているのか

今、様々な産業の中で最も注目を集めている1つが「デジタルヘルス」または「ヘルステック」と呼ばれる、医療×テクノロジーの分野になります。

デジタルヘルスを一言でいえば
デジタル技術を活用して健康寿命を延ばすことを目的とした、広義にはビジネスのコンセプト/概念であり、狭義にはサービスまたは製品になります。

いつの時代もどこの国でも、誰もが健康であり続けたいと願っているのに、なぜ ”今”、あるいは ”今更” 健康が注目を浴びているのでしょうか?

 

まず日本の平均寿命の推移を見てみましょう。

厚労省 平均寿命の国際比較 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life18/index.html

日本は、50年間で10歳以上寿命が延びて、世界トップレベルの長寿大国となりました。

一方で、健康寿命はどうでしょうか?

健康寿命とは 「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」 です。
つまり、簡単にいうと、自立して元気に暮らせている期間になります。

なんと、私たちは健康上の問題で日常生活に制限が出てしまう期間がおおよそ10年もあるのです。

人類は文明の進歩によって生活水準や衛生水準を向上させ、高度な医療技術を手に入れたことで、昔は救えなかった命を救えるようになりました。しかし、その反面、人生を終える最後の10年間は、通院や入院の生活が中心になり、やりたいことが満足にできない期間になっているのです。

実は、この問題は日本に限った話ではありません。スペイン、フランス、スイスなど、経済先進国で且つ高齢化率が高い国は、いずれも平均寿命と健康寿命の差が10年近くあるのです。

これでお分かりいただけたかと思います。
私たちのこれからの課題は「高齢者になっても病気にならず介護が必要のない期間を如何にして延ばしていくか?」ということなのです。

このような背景があり、デジタルヘルスの市場は今後ますます拡大していくと言われています。

では、これから数回に分けて、デジタル技術を使ってどのように健康寿命を延ばしていくか?それをビジネスとしてどう実現させるか?についてお話していきたいと思います